異世界アングスティアでは、魔法による召喚や、マーテリアル界(現実世界)から魔法のゲートを開いた者など、現世の記憶を持ったままアングスティアに転移する者、また死して転生する者の存在が確認されています。
アングスティアでは、こうしたマーテリアル界の知識を持つ者を【異界人】と呼びます。
【異界人】は、アングスティアには無い、(科学や化学の)知識や(平等や民主主義などの)概念を持っているため、アングスティアの権力者の中には、自らの既得権益を脅かす存在であると、危険視する者も少なくない。
そのため、貴族制度など、生まれや育ちを重んじる形で既得権益を継承し、【異界人】 が、そこに介在しないようにと考えられている。
とはいえ、転移はともかく、転生者がマーテリアル界の記憶を持ったまま貴族の子として生まれることも少なくなく、その効果には疑問が残る。
それでも、アウローラ帝国の国教でもあるイリョス神を信仰する太陽寺院では【異界人】は、世界のバランスを崩し、崩壊させる者と危険視し【異界人】を排除するための暗殺組織【オブリーウィオー(oblivio※忘却の意)】が存在しています。
彼らは太陽寺院の後ろ盾を背景に、王族・貴族等の権力に対しても断固たる意志を持って、時には暗殺等の非合法な方法を強行してでも【異界人】を排除する。
※五大神を信仰する者の中には【異界人】に対して寛容な考えを持つ者も少なくはない。
そのため、アングスティアに存在する【異界人】は、五大神を信仰するドラコニス大陸を目指す者も少なくないとされています。
故に、この世界に訪れることとなった【異界人】は、自らの出自を隠し、アングスティアの民として生きることとなるのが普通である。
もしも【異界人】同士が出会ったとしても、自らの出自を、相手に伝えることは相応のリスクを背負うこととなる。
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